緊急事態宣言が解除され、登校再開、もしくは分散登校などで一部再開というところもでてきています。
個人的に早く学校が完全に再開して楽になりたいという気持ちもあります笑
が、今回の休校期間で、子どもたちの学習について改めてちゃんと考える機会になったと思っています。
ということで、今回も引き続き、子どもたちの自宅学習について。
学習を知ると、勉強方法が気になってくる
自宅学習の間、私自身(親)が子どもに教えているのですが、最近、子どもに教えている「昔、自分が当たり前だと思っていた勉強方法(ノートにひたすら書いて練習など)」で教えていて良いのかな?とふと思い始めました。
勉強アプリは利用したりしますが、他にも様々な工夫がある教材や勉強方法がありますよね。YouTubeでは語学などの分野で、学習方法、お薦めの参考書の情報が公開されていて、実際勉強してきた人のアイディアを知ることができ、とても勉強になると思っています。もちろん自ら勉強方法を確立するのもまた良いことだと思いますが。
つい先日、ベネッセ教育情報サイトにて、日本女子大学教授の竹内龍人先生の「実験心理学によって科学的に裏付けられた効率的な学習法」が掲載されていました。アプリやYouTubeでの学習方法のほかに、「脳の働き」を理解した上での勉強方法があり、読んでいて、目からうろこの部分もありましたので、ご紹介したいと思います。
科学的にいい勉強方法とは
記事の内容は、実験心理学を用いて、科学的に結論づけられる良い学習法はこれだ!と記載されています。
記事の冒頭から、
「せっせと勉強しているのに成績がなかなか伸びない……そんな人は、脳の働きに逆らった非効率的な勉強をしている可能性があります。同じ時間を勉強に費やすのなら、より効率的な学習法を取り入れたほうがいいに決まっていますよね。」とありました。
自分自身、振り返って「脳」を意識して勉強したことなんてなかったです、、、
昔は、というと、おじさんおばさん感が出てしまいますが!とにかく書いて覚えるみたいな勉強法が主流というか、勉強ってそういうものみたいな認識でいました。
あとはひたすら量でしょうか。
そんなことを思い出し、今の時代だからこそ、効率的な勉強方法を子どもにしてほしいなと、それを教えられたら良いなあと思ったのでした。
いくつか学習の実験が書かれており、その一部をご紹介したいと思います。
復習はいつ行うのがいいか?
竹内先生によると、『エビングハウスの忘却曲線で触れられているように、人は数日後には学習したことの8割を忘れてしまうこともあり、「復習そのものがとても重要だ。」』とのことです。ただ、復習するタイミングとしては、「その日のうちに」ではなく、「数日後」なのだそうです!
※一応、Wikipediaによると、エビングハウスの忘却曲線は、以下のように、記憶量=どれだけを忘れて、どれだけを覚えているかではなく、あくまでも再学習時にかかるコストの節約率を示してるだけとあります。
注意すべき点は、このグラフは節約率を表しているだけに過ぎず、記憶量を表しているわけではないということである。つまり、20個の単語を覚え、24時間が経過すれば、そのうちの74%に相当する15個の単語を忘れている、というわけではないということである。
- 学んだその日のうちに復習をしなさい
- 学んですぐに、理解してるか復習テストやるよー
なんてのがスタンダードだったと思うのですが、時代は変わるものです!
なんで、こんな結論になったかという裏付けとしては、
「同じ勉強をしたあと、その日に復習したグループA」
「数日後に復習したグループB」
に対して、さらにしばらくたってからテストを受けるという実験をしたところ、結果はBのほうが得点が高かったのだそうです。
すぐ復習するグループAよりも、あとあと復習するグループBのがいい、だから、グループBのあとあと復習がいいよという結論ですね。
さらに、『グループBの復習タイミングやテスト実施時期を変えたりした結果、「勉強から復習まで」と、「復習からテストまで」の間隔が「1:5」の場合、最も得点が高くなることがわかりました。
実際の日にちベースで書いてみると、テストが15日後にある場合、勉強から3日後に復習するのが最も効率的』なのだそうです。
なので、学習した当日に復習をしないとは言っても、そんなに復習までの間隔を開けるわけではなく、あくまでも当日にはしない、数日ずらすというイメージかなと思いました。
今まで、私は子どもに学校から帰った後すぐに、「今日の宿題は?」「何を勉強してきたの?」「勉強してきたのに、もう忘れちゃったの~?!」など矢継ぎ早に聞いていました、反省です。竹内先生のお話に基づく方法となると、2~3日前に習った問題を、「どうやって解いたんだっけ?」と聞いたりする感じですよね。ただ、たずねる大人側も2~3日前に子どもが学んでいたことを覚えていないといけないので、ある意味、大人の脳も同時に鍛えられそうですね!
復習までの期間を開けることを分散学習と名付ける
そして、この学習から少し間を置いてから行う復習のやり方を「分散学習」というのだそうです。
いやぁ、さらに難しくなってきましたね。。。
もう少し我慢ください。
ここで事例第2段となります。
「暗記カード」の学習のケースを考えます。
50個の単語が書かれた50枚のカードがあると仮定し、
- 「50枚のカードを一気に勉強するグループ」
- 「5枚に集中して覚えられたら次の5枚というように、分けて勉強するグループ」
で実験を行ったそうです。
読んだ感じだと、後者のほうが効率的に見えますが、、、
前者の「カードを分けずに学習したグループ」のほうが得点が高くなったそうです。
理由としては、「50枚のカードで勉強すると、終盤に差しかかるころには最初の単語は忘れかけているでしょう。そのため、「間隔を空けるとよい」という分散効果が発揮されるのです。
私、これ読んで最初???となってしまいました。
なんかひっかけっぽい感もしますが、50枚のカードを一気に学習するという、この一気は、時間的な一気ではないんですね。
どっちかというと、一気というか、一回、一単元みたいな感じです。
50枚を一気に学習しようとすると、実際には、数時間、十何時間とかかかるわけです。
で、当然学習なので、1枚めから50枚目までやって終わりじゃなくて、ちゃんと理解できるまで一回でやるわけです。
一回中に、1枚めから50枚目までの学習を何回かループすることになります。
1〜50まで時間がかかりますから、50の後で1をもっかい学習するときには、1を最初に学んでから十分な時間が空いてるので、分散学習効果が働く!
そういう理論のようです。
こっちの事例はなんか難しかったですね。。。
終わりに
他にも、分散学習はバスケットボールのフリースローの練習でも効果が出たり、問題集は一冊に絞り込まず、「つまみ食い」を、また「しっかりと学びたい科目や分野」の学習順序に気をつける、睡眠の必要性などについても、竹内先生が記事を書かれてます。ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
記事の内容は、「進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで 」という竹内先生の著書の内容に入ってるようで、さらに興味が出た!という方向けに、こちらもご紹介しておきます!