今回は、育児について「そうだったんだ!」と久しぶりに思い直すきっかけになった記事に出会いました。子どもが小さい頃は、「育児」初心者なので分からないことばかり。今は、幼児期が終わり、学校関係での悩みや心配がある日々。ただ、ふと幼児の時のことを思い返し、知っていたらもう少し肩の力が抜けて「焦らず」育児ができたかなあということ(もちろん今も知っていたら良いと思うこと)が書いてあったので、ご紹介したいと思います。
皆様ご存知のミキハウスが運営している「出産準備サイト」の連載「高橋たかお先生(慶應義塾大学医学部の小児科教授)のなんでも相談室」から、「お腹にいる時から幼児までの環境要因」のなかで、良いなあと思ったアドバイスの一部抜粋でご紹介します。
・胎教(赤ちゃんが生まれる前から脳に刺激を与える)と発育がよくなるのは本当?
答えは「いいえ」
脳の機能などが作りあげられていくための遺伝子の“決定力”はとても強い。十分な栄養が取れないような厳しい環境でも、簡単には環境要因に左右されないように守られている。そして、お母さんの心拍以外は聞こえていないので、音楽や読み聞かせの”胎教”はあまり影響力はない。
私自身、クラシックなど聞かせた方がいいのかな?(笑)と思っていましたが、必要はなかったことが分かりました。胎教はどちらかというと「お母さん向けの教育」という感じで、音楽によってお母さんがリラックスしている気持ちが伝わったり、語りかけることが大切なのだそうです。
・牛乳を飲むと背が高くなる?
答えは「いいえ」
遺伝子でだいたい決められているので、いくら沢山食べても、鉄棒にぶら下がっても、なかなか伸びたりしない。
つい最近まで、私は牛乳嫌いな子どもに「飲まないと大きくならないよ!」って言ってました。さらに他の乳製品も苦手で「この子、背が伸びるのかしら?」と心配になっていたのですが、無理に摂る必要がないと分かり、ほっとしました。
詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓
「背が伸びる方法」衝撃の真実 「牛乳を飲めばいい」はウソだった?
・「早期教育」の意味はある?
答えは「いいえ」
教育環境は重要な環境要因の一つだが、「早期に質の高い教育を施すことが子どもの運命を左右する」ということは基本的にはない。ただし、「特定の勉強、科目が得意か苦手か、また運動能力」については、生まれつき決められていることが多い。
例として挙げられていたのは、「親が平均的な運動能力の場合、2歳から水泳をやっていても、オリンピック選手になる可能性は低いと言わざるを得ない。」とのことでした。
子どもがオリンピックを目指しているわけではありませんが(笑)、「厳しい現実」に驚きました。「親の遺伝子」の意味合いがこれほど影響があるとは!苦手なことを無理して今習わせず、本当に必要になったときに練習したらほうが身になるのかもしれないですね。
・習い事のやめどきはいつ?
答えは「ここまで頑張るべきなど、こだわらなくても良い。」
習いごとやスポーツを始めた以上は「2年間続けるべし」、「週3日はやるべし」とこだわる必要はない。親が意志の弱い子になったらと心配する必要はなく、楽しみとしてさせてあげるほうがいい。「自分が果たせなかった夢を子どもでかなえようとする」のは良くない。
「習い事のやめどき」は、私自身も本当に悩みました。子どもが最初に興味を持って習い始めても、半年から1年くらいで嫌がってしまい、やめたものがありました。「嫌だからやめた」ことで、家族から「すぐやめる癖がつく」など言われて、どうしたら良かったのかと。
でも、高橋先生のお話で、続けることにあまりこだわらなくて良いと分かり、気持ちが軽くなりました。皆さんも、もし「習い事のやめどき」に悩んだら、高橋先生のアドバイスを参考にされてはいかがでしょうか。
さらに、「今からでも遅くないですからご自分(親御さん)でやってみてください(苦笑)」とのこと。
両親の「何が好きか」という嗜好も遺伝する可能性があるので、好きなことを子どもにやらせてみたら、それが向いていたということは十分にありえる」のだそうです。
確かに、以前習ったピアノの先生も「お母さんがピアノの先生で音楽が当たり前にある環境だった。」とか、以前、読んだ廣津留真理さんの「世界に通用する一流の育て方 地方公立校から<塾なしで>ハーバードに現役合格」
でも英語が得意なお母さんが教えることで、お子さんがハーバード大学に入ったとか。確かに親の好みが大きく影響するかもしれないなと思いました。
廣津留真理さんとすみれさんの記事↓
・子どもが学校に行きたくないと言ったら、どうする?
答えは「学校には行かなくてもいいよ。」
高橋先生はお子さんにだけではなく、ご両親にも「学校に行かないだけで人生を踏み外した大人を見たことない。社会に出てから仕事に行きたくなくなってしまうことがあるけれど、そういう人のほうが大変な苦労をしているから、お休みしたいなら義務教育のうちにお休みしておきなさい」と話をするとのこと。
私も「無理強い」をしないというのは良い考えかなと思いました。現実には仕事をもつご両親がこの決断ができるかというと難しい気がしますが。ただ、子どもに対してこういう少し余裕のある「心持ち」で接することができると、気負わずに育児ができるのではないでしょうか。
そして、 最終的には、「教育で必要なのは上を目指すのではなく「褒める」こと」なのだそうです!
「自分の子を毎日思い切り褒めることのほうが大切。日本という十分な義務教育、衛生環境も整えられているなかで、環境要因で何か上乗せしないと後悔するものはないのではないか。お子さんとの生活をごく普通に楽しんでいただければ、子どもが生まれつき持っている可能性を阻害することはない。」とのこと。
「自分に自信をもつ」= 「自己肯定感」は、環境要因で差がつくとのことなので、
特殊な早期教育や食生活を無理強いすることなく、子どもたちと楽しく過ごしていれば、自己肯定感を原動力として、すくすく育つとのことです。
また、親としては子どもの「出来ること」「得意なこと」を探してあげることが大切で、勉強やスポーツ、お友達のことを優しく思い遣ることも素晴らしい才能の一つだということ。
あまり小さな時から挫折感は味合わず、成功体験を積んで、「自分大好き」と思える育て方が良いとのことです。
運動神経の良い子と遊ぶと、なんでうちの子は出来ないのかしら。もっと鍛えなくちゃとか、他の子が勉強が得意と聞くと、うちの子は全然出来てない、どうしようと焦ったりしていました。そのような中で、高橋先生の言葉で、ふと育児の原点に帰れた気がします。自分の子どもを他人と比較しない、日々楽しく過ごす、たくさん褒めてあげるなど、子どもが塾や習い事に通うよりも、親として一番実行しやすい事柄なのでは。
私自身、今回もう一度振り返れたことで、少し気負いがなくなりました。今日は簡単な食事でもいいやとか、どこか遠くに連れて行くことは出来なくても、近所の公園で遊びを通じて、知らない子と急に仲良くなって遊びだしたことで、初めてのお友達ともすぐに仲良くなれるのは偉いよと褒めることができたりとか。生活の中で、子どもに関する小さな出来事を一つ一つ大事にしようと思うことが出来ました。
他にも育児のことで、励みになる言葉、アドバイスなどが書かれていましたので、「吉村先生・高橋先生のなんでも相談室」をぜひ読んでみてはいかがでしょうか。