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英語を学ぶのに必要なのは、なんと2,760時間!!!小さいころからスタートを

子持ち夫婦共働きの妻担当

2020年度より、小学生5年生、6年生の英語が正式教科となりました。
もともと中学生からだったのが、前倒しされた形になります。

それもあり、昨年から「子どもの英語学習」についてネットで頻繁に調べるようになったように思います。

ただ、学習開始時期に関しては「小さいころから始めたほうがいい。」「母語がおろそかになるから遅い方が良い。」など、相反する意見があったりして、結局、「本当にいつ始めたらいいの?」と疑問が残るばかりでした。

個人的には、そこまで小さいころから始めなくても大丈夫かなとか思いながらも、たまに周囲で習っているよと聞くと不安になったり。。。
そんな複雑な気持ちのなか、コロナ前は大手の英会話スクールに話を聞きに行ったこともありました。でも、毎月の費用けっこうかかるなーとか、週1回ではできるようにはならないよねと思ったりして、あまり「小さいころからの英語学習の必要性」を感じていませんでした。

小さい子どもの時間を取り上げてしまうことや、費用面から、まだ早いと思いたかったのかもしれません。

ところが、そんなことを言ってられない、これからはもっと英語を学ばなくてはいけない!と思うきっかけができました。
この記事を読んだからです。

成功パターンとして、中国における英語学習の事例を紹介

記事では、英語学習における日本と中国の比較について触れられています。

中国では19年前の2001年に英語教育が開始。国を挙げて英語教育の普及と改善に取り組み、今では大学生8割近くが「自分の英語能力は日常生活レベル」と答えるほどになったそうです。(すごい!)

そして、今の日本の英語教育システムに何が足りないのかを問いかけています。

中国においても、英語教育に関しては日本と同様にさまざまな批判や反発があったそうです。例えば、「母国語の習得の妨げになる。」「いったい誰が英語を教えるんだ。」など。

そのような批判があっても、中国はグローバルでITが必要とされる今の時代においての重要さを理解し、普及に取り組んだそうです。

普及方法も合理的で、「大都市を中心とした地域→小学校1年生から」、「農村部など英語教育の遅れた地域→小学3年生から」と住んでいる地区によって英語教育の開始年を変え、カリキュラムの自由度ももたせたそうです。また、各学校で英語教育の普及が成功した場合は、その成功例を広めていくというシステムをとったとのこと。さらに、イギリス政府などの協力を得て教員を育成。英語検定試験についてもイギリスと共同開発し、英語教育を義務化したそうです。

<英語の義務化>開始時期

中国:2001年から小学校1年生の英語教育義務化。
   (小学校入学前に3割以上の子どもが開始。)

日本:2020年度から小学校5年生以上の英語教育を義務化。

日本と比べますと、英語教育の義務化は2001年からと約20年の差があり、英語の学習時間に関しても圧倒的に多いことが分かります。

英語学習に必要な時間は?

タイトルになっている英語学習に必要な時間については、「アメリカ国務省の職員(英語ネイティブ)が外国に赴任する際、日常会話ができるようになるのに必要な時間」の調査というのがあるそうで、そこでの時間が根拠になっています。

英語に近い言語グループ、英語から言葉として遠いグループに分けた場合、一番近いフランス語、ドイツ語を主として使用する人では480時間、日本語に際しては、一番遠いグループかつ最長で2,760時間要するという結果に。
さらに学術論文を書けるようになるには、この倍以上の5000〜6500時間はかかるだろうとのこと。

以下、内訳

「グループ1」:フランス語、ドイツ語やスペイン語など  480時間
「グループ2」:ギリシャ語、ヒンズー語、インドネシア語など  720時間
「グループ3」:ロシア語、ヘブライ語、トルコ語など  1,320時間
「グループ4」:日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語など  2,400~2,760時間

出典:https://www.fnn.jp/articles/-/1216

「グループ4」に属する中国が、20年以上も前から「英語」に対しての危機意識をもち、学校教育に取り組んでいたことを考えますと、日本も日本語という英語習得には難しい言語を話している国だと意識して、もっと学習量を考える必要があると思いました。

日本語に接してる時間と比較するとわかりやすい

上記記事では、「18歳になるまでに母国語(日本語)に6万3000〜6万5000時間接しているのに対し、日本の小学校から高校までの英語の授業は全部で1000時間弱。日本人が英語が下手なのではなく、そもそも英語に接している時間が絶対的に足りない。」とも指摘されています。

母国語=日本語に接した時間というのは思いつかない視点でした。
たしかに、これだけ日本語に接すれば普通にしゃべったり理解できるようになるよねと。
逆に、これだけ接してるからこそできるということなんですね。

使いたい時期から逆算して英語学習のスタート時期を考える

そして、私の中で一番心に響いた言葉が、

「たとえばいま子どもが9歳なら、何歳までに2700時間を達成したいかを逆算して日数で割っていけば、1日当たりの英語の学習時間が算出される。」というところでした。

英語学習に必要な時間を逆算して、1日あたりの時間を考えることにより、英語学習を始めるか否かをのんびり決める時間はなく、林修先生の「今でしょ!」のように、すぐ始めなくてはと思えるきっかけとなりました。
計算してみるとわかるのですが、それくらい2700時間というのは膨大なんです!

個人的に、以下2パターンで(上記のグループ1~4の調査で必要とされる)2,760時間を達成する場合を考えてみました。

①小学3年生(8歳)~高校3年生(17歳)の9年間で達成させる場合。

小中高の学校教育を1,000時間とすると、残り1,760時間。
1760時間を9年間で割ると、1年間当たり約196時間。
1年365日毎日勉強する場合:1日約33分学習すると年間約200時間。
1年のうち平日(約246日)の場合:1日約48分学習すると年間約196時間。

<結果>
9年間では毎日30分~50分くらいの自宅学習が必要。

②小学3年生(8歳)~中学3年生(14歳)の6年間で達成させる場合。

小学3年生~中学3年生までを新学習指導要領より約600時間とすると、残り2,160時間。
2,160時間を6年間で割ると、1年当たり360時間。
1年365日毎日勉強する場合:1日60分学習すると年間360時間。
1年のうち平日(約246日)の場合:1日約90分学習すると年間約369時間。

<結果>
6年間では毎日60分~90分くらいの自宅学習が必要。

つまり、1レッスン60分の英会話を週1回習ったりするだけでは明らかに足りないということですよね。日々の家庭学習のなかで、他の教科の宿題などを考えたりすると学習時間を確保するのはなかなか難しいように感じました。

ただ、計算してみたことで、1日の学習時間の目安が分かり、我が家では、朝食の間にYouTube、Netflix、Amazonプライムビデオで英語音声、英語字幕で動画を見たり、週末に親子で英語が分からなくても絵で理解がしやすいディズニーの映画を一緒に見たりと、より意識して英語に触れさせる機会を作るようにしました。

ただ、家の中で英語を話すわけではないですし、外に出ても英語を使う環境がないと、やる気につながらないということはありますよね。

日本で英語を学ぶモチベーション

英語学習のモチベーションにつながらない点については、立命館アジア太平洋大学の出口治明学長が、「日本は英語を学ぶインセンティブがない」ことを指摘しています。

小学校からという話ではなく、学生が企業に入るのに「TOEFL iBTで85※を取っていない学生とは面談しない」など方針を打ち出せば、必死に勉強するのではないかと。英語教育の問題は、小中高大ではなくてむしろ企業の問題だと指摘されていて、私自身としてはつい学校教育ばかりに意識がいっていましたので、企業の姿勢を指摘する意見に驚きました。

※TOEFL iBTで85は、TOEIC950点前後、英検では準1級に相当。

IMG_256
出典:プログリットメディア
https://progrit-media.jp/84

国内の意見のなかで、「日本にいれば日本語で何とかなるから英語は要らない」という人もいたりするようですが、出口学長は、学生に「グーグルで同じ項目を日本語と英語で検索」しても、英語と日本語では情報量が全く違い、世界がより広がって楽しいということも教えているそうです。

また、

『日本社会に「英語なんかできなくても大丈夫」というおじさんがいて、しかもそういうおじさんが大きい顔をしているから、折角の機会を活かせないだけの話ですよ。「英語なんてできなくても大丈夫」といっているおじさんは、子どもや若者の未来を潰しているということですね。』


とも語っています。

「おじさん」ではなくとも、親として子どもに「英語はいらないよ。」という言葉ではなく「英語は大事だよ。」、「英語を勉強すると世界が広がるよ。」と声掛けを出来るだけしたいと思いました。私自身、「母語が安定しないのに英語を勉強しないほうがいいのでは」と思ったりする時もありましたが、今回の記事で改めて「英語の重要性」を感じることができたように思います。ぜひ親子で1日10分でも、好きな映画などを英語音声&字幕でご覧になってみてはいかがでしょうか。

注釈

記事の中で、臨界期に英語学習を行っておく理由を解説している箇所があります。

「教育用語で『臨界期』といわれる9〜11歳くらいがポイントです。臨界期は言葉を1つの塊で覚えて、そのまま話せます。この臨界期をまたいで13〜15歳まで続けると、その言語は定着します。また、臨界期の前に覚えた言語は、音だけは何歳になっても発音することができます。身体が覚えているんですね」

ただ、この臨界期と英語学習との関係は諸説あるようで、寺沢拓敬氏(言語社会学者)によると、第二言語習得研究における「臨界期」(正確には臨界期仮説)は、英語教育とはまったく関係ない概念だそうです。臨界期とは、「この時期以前に始めれば、母語話者と同等の水準にまで第二言語能力が達する時期」のことなのだそうです。したがって、「外国語能力がぐんぐん上がる時期」という意味でもないですし、『「外国語の発音が上手になりやすい時期」という意味でもありません。』とのことです。

「臨界期」という考えについても、色々な見解があるようなので、追記させて頂きたいと思います。