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たくさん本を読まなくても読解力が身につく方法-ダイアロジックリーディング(対話形式の読み聞かせ)-子どもと試してみました!

子持ち夫婦共働きの妻担当

「子どもが本をあまり読まなくて・・・」と心配したことはありませんか?

うちの子どもはあまり本を読みたがらず、私の読み聞かせも嫌がります(笑)

ただ休校になった際は、本に接する時間が増えたことで、少しずつマンガを読むようになりました。でも、国語の教科書のような「たて読み」の本には、いまだ興味を示しません。

このままだと読解力がつかないのではと不安に思っていた矢先に、この記事が目に入りました!

上記の本を書いた加藤映子先生が、読解力、思考力、伝える力がつく方法(ダイアロジックリーディング)を提案してくれています。

まずは読解力について

記事中にも記載がありますが、2019年12月の国際学習到達度調査(PISA)で、日本の子どもの「読解力」が前回調査(15年)の8位から15位に転落しました。

画像・出典:毎日新聞

この結果により、もっと本を読ませないとということで、「読み聞かせをして、小さいころから本に親しまなくてはいけない」という意見も出たようですが、実は「読書量と読解力は比例しない」という研究結果があります。

画像・出典:ベネッセ教育総合研究所

要約すると、

  • 月に15冊以上読む子どもたちが小、中学生とも「読解力」スコアがトップではない。
  • 中学生の場合は「月に4~5冊」のグループが一番スコアが高く、読書量が増えるほど読解力が低下。

つまり、「本好きになったから、本をたくさん読むからといって読解力が高まる保証はない」と指摘されています。
本をあまり読まないわが子にとって、読解力をあげるチャンスがまだあるかも?!と期待が高まります。

それでは、読解力を高めるためには、どうしたら良いかというと、

絵本の読み聞かせをするときに活発に発言して保護者や保育者と対話するアメリカ式のメソッド、「ダイアロジック・リーディング(Dialogic Reading)」がおすすめだそうです。

ダイアロジックリーディングのメリットは以下のようなものが言われています。

項目メリット
1. 対話の時間が増える「親子のコミュニケーション」をより密に図れる 子どもの内的な成長もより細かく観察・実感できる
2. 登場人物の心情や善悪に関する質問をする より効果的に「情操教育」や「道徳教育」を図ることができる
3. 物語を分析する癖をつける「読解力」、「本を読み込む技術」、「想像力」などを強化できる
4. 話を聞きながら考える習慣をつける「人の話を深く聞く」ことができるようになる
5. 子どもの発話を促す語彙の習得だけではなく、「考えをまとめる練習」や「話す練習」ができる

もちろん、日本の「読み聞かせ」にもメリットがあり、子どもたちが黙って聞くことで、

  • 物語に没入できる
  • 親子で親密な時間を共有することで、精神的なつながりを深めることができる

という効果が期待できますが、読解力とはまた違う方向になります。

ダイアロジックリーティングとは?

そもそもですが、みなさまダイアロジックリーディング知ってますでしょうか?ということで、ダイアロジックリーディングのお話から。

ダイアロジックリーディングの基本的な流れは、「PEER(Prompt, Evaluate, Expand, Repeat)」と呼ばれるシーケンス(順序)に沿って行われます。

PEERについは、ピーターラビットの物語で流れを説明してあるサイトがあったので、一緒にご紹介したいと思います(英語のドキュメントになります。)

画像・出典:www.earlylit.net

“これは何の動物かな?“とたずね、子どもが答えたことに対して、“そうだね、ウサギだよ”と同意したり、子どもが分からなかったら、助け舟を出したり。ウサギという答えを子どもに復唱させて、そこから、“うさぎが鳥を見ているね、たぶんスズメかもしれないね”と情報を追加し、子どもに繰り返してもらったりする感じのようです。

そのようなPEERの中で、以下の二つの問いかけが大きな柱となるそうです。

「あなたはどう思う?(What do you think?)」
「なぜそう思う?(Why do you think so?)」

記事でも書かれているように、日本人は「なぜ?」と聞かれることが苦手なことのように思います。なんとなく非難されてる感じがしてしまうんですよね。でも、理由を考えることで、確かに物事をしっかりと考える習慣がつきそうな気がしますよね。

やってみたところ

実際、こちらの記事を読んでから、ダイアロジックリーディングというものを子どもに試してみました。

教材は、学年相応の教科書や国語の問題集から「物語」を選択。

手順としては、以下の通り。

  • 子どもと一緒に文を見て、私が音読。文を見たくないという時は寝転がって聞いてもOK
  • 音読後、どういうあらすじだったかを聞く。分からないところは親が内容を補う。
  • 以下のようなことを質問する。
    • 主人公はどんな子? (外見や性格なども含めて聞く)
    • 主人公は今どんな問題で困っている? そういう時はどんな気持ち?
    • 主人公はどうやって、その問題を解決した?
    • 問題を解決したあと、主人公はどんな性格に変わっていった?(例)内向的→社交的になった、我がままな性格→優しい性格になったなど。

試したのは1週間。夕食後にほぼ毎日試してみました。子どもとしては宿題ではないことをさせられてかなり不満げでしたけども。。。

結果は以下の通り。

  1. 今まで「あらすじ」をいうのが不得意だったが、聞き覚えた情報から「あらすじ」が言えるようになった。
  2. 今までは物語の主人公の動きにあまり理解を示せなかったが、主人公の性格の変化、直面している問題などに多少意識がいくようになった。

1, 2ともに苦手なところだったので、良い変化が見られたように思います。また、ダイアロジックリーディングのメリット「話を聞きながら考える習慣をつける → 人の話を深く聞く」というのも、今までよりも良くなったように感じ、試して良かったなあと思いました。

終わりに

ダイアロジックリーディング、馴染みがない学習法ですが、日本の国語だったり、読書とはまた違うやり方で、メリットを感じれる学習法だと思います。

  • お子さんが、たくさん本を読むのが好きだけど、読解力は大丈夫かな?
  • 本をあまり読まないけれど、読解力を鍛えたい!
  • 忙しくて本をたくさん読んであげられないなかでも、読み聞かせの「質」を上げたい

などと思われたら、ぜひ「ダイアロジックリーディング」(対話式の読み聞かせ)を試してみてはいかがでしょうか。

かなりおすすめです!