先日、海外の友人が日本に一時帰国した際に聞いた話なのですが、
「日本は物価が安くて驚いた!」
「色々なものが安い100円ショップ最高!」
「お寿司やお刺身がとても美味しかった!」
という、喜びの声を聞きました。
ところが、良い点だけではなく、
「こんなに安くていいのかな。」
「日本はこのままで大丈夫かな。」
と、不安な声も聞きました。
日本にいると違和感がないことでも、海外から見ると違った見方になるのだなと実感しました。そんな矢先、「超」勉強法(「超」勉強法 | 野口 悠紀雄 |本 | 通販 | Amazon)などを書いた野口 悠紀雄氏の記事、を目にしました。
各国の年間平均賃金額の比較
OECD加盟諸国の年間平均賃金額のデータを引き合いに、日本の賃金が他国と比べて相対的に低くなっている状態について書かれていました。日本は、なんとアメリカの平均賃金の55.5%!
- アメリカ 69,392ドル
- ドイツ 53,745ドル
- フランス 45,581ドル
- イギリス 47,147ドル
- 韓国 41,960ドル
- 日本 38,515ドル
Earnings and wages – Average wages – OECD Data
続けて読んでいくと「日本は、賃金水準で、いまやOECD※の中で最下位グループに入っていることがわかる。日本人が老後生活を送るためには、海外出稼ぎを真剣に考えなければならない時代になってきた。」という衝撃的な文が!
働き世代が老後についてあれやこれやと考えている現在、これからさらに先の世代である今の子どもたちにとってはもっと切実な話になると感じました。
※OECDとは
OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関です。OECDは国際マクロ経済動向、貿易、開発援助といった分野に加え、最近では持続可能な開発、ガバナンスといった新たな分野についても加盟国間の分析・検討を行っています。
もう一つの比較はビックマック指数?
記事中で、イギリスの経済紙「エコノミスト」が発表しているビックマック指数※についても触れられていました。
ビックマック指数とは?
各国の経済力を測るための指数。マクドナルドで販売されているビッグマック1個の価格を比較することで得られる。イギリスの経済専門誌『エコノミスト』によって1986年9月に考案されて以来、同誌で毎年報告されている。
まあ、単純明快でわかりやすいですよね。イメージもつきやすいです。
ビッグマック® | メニュー情報 | McDonald’s Japan (mcdonalds.co.jp)
日本では390円(2021年10月15日現在)で、1個購入ができます。写真見てるとお腹がすきますね!
さてさて、では、実際調べてみました。
最新のデータ一覧が掲載されているサイトから引用しています。
グラフからもわかる通り、ビックマックの値段は、
- アメリカ 5.66ドル
- ユーロエリア 5.16ドル
- イギリス 4.44ドル
- 韓国 4.1ドル
- 日本 3.74ドル
と、平均賃金と同様、低い価格なのがはっきり分かります。
参考に、日刊ゲンダイで、日本円換算した表もありましたので、ご紹介します。
“ビッグマック指数”でも明白 日本人が世界で爆買いできる時代はもう来ないかもしれない|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)より。
身近なことから見つかる発見を子どもとも共有する
いろんなデータから、日本が相対的に賃金が低くなっているのが、わかると思います。
日本が低賃金になってしまったことについて、野口氏は、「労働者を貧しくして株価上昇」などの理由があげられていましたが、このあたりの理由は立場によって様々だと思います。
ただ、ビックマックを通して、親子で「安くていいね!」で終わるのではなく、モノの適正価格、社会に出て働いた時の賃金などをきちんと説明する必要があると思いました。先日、ちょうど【林修のニッポンドリル】マクドナルド人気番付ランキングベスト10を子どもが見ていたので、親子で話をする良いきっかけになりました。
将来、日本で生活するのに必要な賃金が得られなければ、海外に出なくてはいけなくなるかもしれないなどの危機感をもつ必要があると説明しました。
そして、今できることは「しっかり勉強すること」と言ったら、「また同じこと言ってる!」と呆れられましたが、忘れたころにまた、説明して聞かせたいと思っています。
みなさんも、親子でぜひモノの値段、賃金、海外から日本はどう見られているのかを考えたり、「将来どんなことが必要なのかな?」、「今、何をしたらいいのかな?」など一緒に話し合ってみてはいかがでしょうか。