徐々にですが、外に出ると暖かさが感じられる季節となり、子どもと公園に行ったりする機会も増え始めました。でも、公園では最近、設置されている遊具が少なくなったと感じます。
以前は小さな公園でもよく見かけた回転ジャングルジム、箱型ブランコに出会うことはほんとに少ない印象です。親としては、自分が子どものころ、よく箱型ブランコで友達と色々話せて楽しかったという思い出があるので、今の子どもたちには少し寂しい環境なのかなあと思ってしまいます。
※以下、それぞれの遊具の写真を引用してご紹介します。子どもの頃遊んだ経験があると思います。
回転ジャングルジム
箱型ブランコ
遊具減少の理由とは?
その遊具の減少について、先日こちらの記事を目にしました。白梅学園大学名誉学長、東京大学名誉教授の汐見 稔幸氏による記事になります。
一般の児童公園は、そこにある遊具でけがをすると、公園課に訴えが届き、結局その遊具を撤去するということが続いてきた。多いときには一年に3000もの遊具が撤去されていた。そのため、現在の児童公園には以前あったようなジャングルジムのような遊具がないところが多い。
という理由からなのだそうです。
いまの子どもたちが熱中する遊びといえばビデオゲーム。そのため、自然に対して遊びのアイディアを生み出したり、けがをするかもしれないという瀬戸際で自分たちを試すこともできない、感性の働きが活性化されない、手先の器用さが向上しない。
などの指摘がされており、公園のあり方を考えさせられます。
子どもが外で遊べる場所を作る新たな動きをご紹介
そんな中、子どもが遊べる公園の数が減っている日本ですが、自治体、市民レベルで新たな公園づくりへの関心が高まっているそうです。
例えば「冒険広場」。
「ルールや規制がなく、大人のサポートもありつつ、色々な遊びの道具やしかけを作ったりすることができる場所。場所によっては、たき火やドラム缶風呂をつくったりわかすことができる。」ような場所をそう読んでいるそうです。
以前、私たち親子も、色々な体験ができる「冒険広場」、プレーパークに行ったことがあります。その時は、とんかちや釘を自由に使え、子どもがおぼつかない手で夢中になって板に釘を打っていたことを思い出します。
また、ツリーハウスのようなはしごを使って登る場所があったのですが、子供が登りたいと言うので手伝おうとした時、指導員の方から
「どうか手伝わないで、お子さん自身の力で登らせてください。」
とアドバイスがありました。
理由は、大人が手伝ってしまうと、自分にとっての危険な高さなどが理解できずに怪我につながるのだそうです。自力で徐々に挑戦して、高さに慣れてはしごを登り切ったときに始めて、その高さに子ども自身が慣れるのだそうです。
子ども自身が必死に挑戦して、登れるようになるということで、主体性を養うのに良い場所だなあと感じたことが思い出されます。
また、プレーパーク以外でも札幌市と世田谷区の「インクルーシブ公園」のことが挙げられていました。
札幌市南区の藤野むくどり公園
東京世田谷区の砧公園
両公園は、アメリカにある身体障害児が遊べる公園をモデルに、車いすのまま滑ることができる滑り台、体を支えるブランコなどが設置されているそうです。
私もコロナ以前ですが、アメリカ旅行に行った際に「インクルーシブ公園」を見て感動したことを覚えています。
写真は砧公園の遊具ですが、私が見たものも似た遊具でした。遊具の下にはクッション素材の地面、あるいは柔らかいウッドチップのようなものが敷き詰められた地面になっていました。高いところからジャンプしたり、走って転んでも怪我をしないような設計でした。
また滑り台に行く階段通路が広々と作られ、数人の子どもたちがすれ違ってもぶつからないような広さでした。さらに、車椅子のお子さんが遊びやすい椅子の形をしたブランコなど、様々なところで安全面が配慮されていました。
その後、日本でいつかできたらいいなと思っていた時、元朝日テレビアナウンサーの龍円あいりさんの活動を読んだことがありました。
スペシャルニーズ(スペシャルニーズとは? カナダのオープンでクリエイティブな障害児教育環境 | ホイクペディア | 海外保育士の留学情報サイト (hoikupedia.com))を持ったお子さんを含め、みんなが集まって遊べるインクルーシブ公園のような場所が増えていったらいいと思っています。もしインクルーシブ公園にご興味がありましたら、ぜひお子さんと一緒に遊びに行って頂けたら嬉しいです!