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親子喧嘩から、スタディライフバランスを考え直すきっかけに

子持ち夫婦共働きの妻担当

ここしばらくは、親子で一緒に仲良く問題集を解いていましたが、徐々に親として欲が出てしまい、「もっと色々させなきゃ。」という気持ちになってしまいました。その途端、また親子の口喧嘩勃発。

エスカレートし始めている自分をなんとか落ち着けなくてはと思っていたところ、以下の記事を目にしました。

これじゃあ、まるで疲れたサラリーマンだ…

読み終わって、「私も、子どもを疲れたサラリーマンのようにさせているのでは。」と思い、自分の行動を反省する良いきっかけになりましたので、ご紹介したいと思います。

スタディライフバランスを見直そう

記事の内容としては、加藤公一レオ氏が近年、大人の世界では「ワークライフバランス」が大切にされるようになったものの、子どもの勉強のさせ方、つまり「スタディライフバランス」をもっと改革したほうが良いのではないかと警鐘を鳴らしている記事となります。

※加藤公一レオ氏

1975年、ブラジル・サンパウロ生まれ。アメリカで育ち、西南学院大学を卒業後、三菱商事入社。大手広告会社のアサツーディ・ケイ(ADK)などを経て、2010年に売れるネット広告社を設立。

※スタディ ライフ バランス

ワークライフバランスの「ワーク」を「スタディ」に置き換えた言葉。すなわち、勉強と私生活のバランスの均衡を目指そうという概念。2015年リクルートホールディングスが2016年小中学生の学びにおいてトレンドとなると予測したキーワード、教育業界では今も注目されているワード。

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はじめに、アメリカ育ちの加藤氏は、小さい頃からあまり勉強せずに自由に遊んで育ったのに、自分の3人の子供は多くの宿題に囲まれ、また夜遅くまでの塾など多くの時間を学習に割く環境下で学んでいることについて触れています。

さらに、自分の子供だけの話でなく、2013年のベネッセ教育総合研究所が行った「第2回 放課後の生活時間調査」結果を紹介し(2014_houkago_Info1.pdf (benesse.jp))、子供自身が学習に多くの時間が割かれていることを認識しており、結果「“疲れたサラリーマン”を対象にした調査結果のようである。」と評しています。

私自身、周囲のお子さんが長い時間勉強している話とか聞くと、つい比べたくなり、「我が子はぜんぜん勉強してないのでは?」と焦ってしまうことが多々あります。内心は、のんびりさせたいなあと思っているのですが、自分の不安を払拭させたいという気持ちが先走り、結局は「勉強しなさい!」という言葉に変わってしまいます。この気持ちが、子どもを「疲れたサラリーマン」にしているのかと思いました。

夏休みの宿題がなかった加藤氏から見ると、日本の小中高生はブラック企業のようなところで働いているような生活を強いられるように見えるのもわかりますよね。

では、アメリカでは夏休みに何をするのかと言うと、

  • 家族で長期旅行に出かける。
  • ゴルフやアートのレッスンを受ける。
  • 自分が興味のあることに集中して取り組む。

つまり普段できないことをして、『自分の可能性を広げるための時間』に使われるようです。

日本の夏休みはというと、

  • 学校で出される夏休みの宿題。
  • 自宅学習。
  • 携帯やスマートフォンでの動画視聴。
  • 塾の夏期講習。

このような感じでしょうか。これでは、自分の可能性を狭める時間になってしまうのではないかと改めて感じました。

この対照的な「夏休みの過ごし方」から、加藤氏は「勉強を労働時間と考えると、今の子どもは長時間労働とサービス残業のまっただ中にいるようなものだ。」と語っています。

スタディライフバランスを整える方法は?

スタディライフバランスの制御については、まず「この“ブラック教育”から子どもを守るために国がルールを決めるべきだ。」と考えているとあり、以下のことを提案されています。

  • 学校は8時から15時のみ学生を拘束可=長時間労働の制限
  • 塾は18時以降、開室不可=残業の制限
  • 宿題は禁止=サービス残業の禁止

現状の日本に生きる我々としては、かなり過激な意見に見えますし、塾の仕事に携わっている方からすると、業界を圧迫するようなお話になってしまいますが、たしかに、これくらい強力なルールができれば、子どもとしては安心が得られそうです。

以前、私もアメリカ人の女性とこんなやりとりをしたことがあります。

私「アメリカの子どもたちは塾に行かないの?」

友人「小中高生は学習が遅れているとかよほどのことがない限り、塾に通わないわ。夏休みには家族と旅行したり、他の州に遠征したりして好きなスポーツに打ち込んでいるわ。」

私「ずっと行かないまま?あるいは、塾に行くときはある?」

友人「真剣に勉強するのは大学入試の2年ほど前からで、その時は塾のようなところに行くわ。」

とのことでした。

もちろん、彼女の住んでいる地域での話かもしれませんが、加藤氏と同じような内容でした。

とても個人的な意見ですが、少子化となっている今、小中高の先生と塾の先生双方の雇用を確保しながら、小中高の建物の中で、8時~15時まで子どもたちを教え、放課後は好きなスポーツや友人と遊んだりする自由な時間になったらいいのではと思ったりします。

もちろん、遅い時間まで働いている親御さんが多いと思うので、放課後の預かりサービス、教室で補習してもらいながら待つなどの選択肢があったらいいなあと思います。

東京都三鷹市にある株式会社探究学舎(本社:東京都三鷹市、代表取締役:宝槻泰伸)と授業のノウハウを公立小中教員に伝授するという取り組みがあったそうなのですが、このように小中校と塾の先生方が一緒に「子どもの学びをサポートする」という環境もできていけば良いなあと。

4/16 公立小中教員が民間塾のノウハウ学びオリジナル授業発表 三鷹市教育委員会と「探究学舎」による1年間に渡る取り組みの集大成|探究学舎のプレスリリース (prtimes.jp)

さて、元の記事に戻りますと、他にも、

  • 「インプット教育から、人前でプレゼンなどが出来るようなアウトプット教育へ。」
  • 「高度成長期と違う教育方法にしなければ、日本は世界からどんどん取り残される可能性がある。」
  • 「教育の改革によって、毎日遅くまで塾で勉強しなくても、社会に出たときに活躍できる人材をもっと増やせるのではないか。」

と日本の将来を考えての様々な提案がされています。

「子どもの勉強時間」、「インプットではなくアウトプットすることの重要性」、「日本の教育の未来」などにご興味がありましたら、ぜひご一読頂けたらと思います。