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保育士の給料があがらない理由とは

Yietoブログ編集担当

待機児童が多い、もっと保育園があったらいいのになどの声が聞こえたりしますが、働いている保育士さんたちの声が取り上げられていることは少ない気がします。
そんな中で、「保育士の”給料”が低い21保育園を実名で公表」という記事が。実名公表というとちょっと驚きますよね。
「ルポ保育格差」の作者、小林美希氏とAERA dot.編集部が共同でアンケートを実施。調査対象は、「東京都内で経営にかかる費用に占める保育士人件費比率が低い21施設(社会福祉法人運営の保育園を除く)」

保育園を選ぶ側も、保育士の給料低い=質の高いサービスが受けられる可能性が低いとも考えられるわけで(それだけでは判断してしまっていいというわけではないですが)、興味深い情報だなと。
アンケートの結果は記事中にあり、大手さんがいっぱいいたりと役に立つのですが、本筋として、そもそもなんで保育士の給料が低いのか?という話を。
これは、2000年に大幅に規制緩和された、「委託費の弾力運用」と呼ばれる制度が大きく影響しているのだそうで。
<今まで>
「委託費」(市区町村から毎月支払われる運営費用)→8割方「人件費」に充てられていた。
<2000年の規制緩和後>
民間の株式会社が保育園運営に参入。株式会社としては、人件費8割では利益を出しづらいため、委託費の使用範囲が幅広く認めらえるようになった。
そのため、人件費を搾取して保育関連事業、施設整備費や積立に使われてしまうケースもでてきたことから、給与が上がらないという事態に・・・

規制緩和によって保育園運営が、公立や社会福祉法人だけでなく民間にも広がったことは、保育園が増えて良かったように思っていたのですが、結果的に保育士の給与を国がコントロールできなくなったという、メリットとデメリットをもたらしたということですね。もちろん、結果的に待遇や給与がよくなった人もいたでしょうし、それ=すべてが悪というわけではないのでしょうけども。。。